クローバー的恋事情
二人でいる時の幸紀さんは本当に甘いのだ。


「ごめんね、嫌いにならないで」


「なるわけがない。どんな葵でも好きだよ。ほら、ホテルに行って着替えよう。明日にはもう帰るんだから」


私たちは有休を2日取って、3泊4日の沖縄旅行を楽しんでいる。いない間の仕事は田辺くんに押し付けてきた。


「こんなにやるんですか?二人して、まじでずるいんだから。お土産をいっぱい買ってきてくださいよ」文句を言いながらも引き受けてくれた田辺くんには感謝するしかない。

そんな田辺くんも先月彼女が出来たのだ。意外にもお姉さん社員に人気があって、何人もの年上の女性社員から言い寄られていた。


「モテる男はつらいね」なんて言いながら喜んでいた。

そして、見事その中の1人の手の中に落ちた。3つ年上の総務部の人と付き合い始めたのである。


「二人だけになるととってもかわいいんだよ」
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