クローバー的恋事情
「お、早いね。適当に座って、何か飲んでいていいよ」


教育担当の3人は既に降りていて、コーヒーを呑みながら、打ち合わせをしていたようだ。


「はい。分かりました。葵、取りに行こう」


「うん」


「二人ともこっちのほうに座ってね」


松本さんが、自分たちの座っている近くのテーブルに座るよう促す。

私は紅茶、友香はコーヒーを入れて隣のテーブルに座った。後から来た他の人たちも近くに座る。


「飲みながらでいいので、聞いて。全員で回るにはちょっと人数が多いので、2つに分かれます」


藤沢さんが、1つ目のグループのメンバーを言う。私と友香はそこに入ってなかったので、もう1つのグループになった。

一緒に回る教育担当は藤沢さんだ。昨日も今日も藤沢さんとは挨拶しかしてない。必要以上に近寄らないようにしている。

ほっこり芽生えた恋心を完全に消去するには、接触しないのが一番という判断を私なりにした。


「萱森さん」


「は、はい」


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