クローバー的恋事情
2年前のことを楽しそうに振り返っている。緩んだ顔で話す友香は綺麗というよりかわいい。恋って、普段見れない表情を見せてくれる不思議なものだ。


「そこで、告白に成功したんだね。ねえねえ、なんて言ったの?」


「シンプルに好きです。彼女にしてくださいって」


「わー、さすがだね」


こんな美人さんに言われたら、彼はすぐにOKしたんだろうな。なんだか想像出来る。「俺も」とか言って、抱き合って、キスする姿が。

私も今度好きな人が出来たら、迷わず告白しよう。今度は当分先になりそうだけど。


「あら?ねえ、幸紀。うちの会社の新人さんじゃないの?」


「え?」


カフェに入ってきたばかりの二人が通りすぎようとしたところで、足を止める。


「あ、藤沢さん」


「あ」


私と友香はほぼ同時に顔を上げて、声がした横を見た。藤沢さんと小島さんだった。

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