僕が霊を信じた日
霊能力者の家は大きくはない一軒家で、中はジメジメとして暑苦しかった。



女性はチラチラと僕達の背後に視線を走らせる。


「あの……」

僕は口を開いた。


が、彼女の視線は母の肩にあった。



女性には見えるのだ。

忌々しい霊が。


「あの、どうしました?」

母がしびれを切らした。
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