ジャスミン
〜美香と大樹〜

ここは、とあるお洒落なカフェ

バンッ!

『絶対何かあったんだよっ!颯太郎さんと出会ってからの茉莉はスゴく穏やかな表情で、でも今日の茉莉は昔の…ううん、それ以上に人を寄せ付けない感じだったんだもん!!』

美香はテーブルを叩くと鼻息を荒くしながら、向かいに座る人物を捲し立てるように話す。

テーブルの音と美香の形相で周りの客たちや店のスタッフは『喧嘩かな?』などヒソヒソと様子を伺う。

そんな様子に苦笑いを浮かべながら美香を宥めるのは恋人の大樹。


『まぁ、まぁ、美香りん落ち着いて…?』

『バカッ‼︎これが落ち着いていられる訳ないでしょ⁉︎』


もう一度言う。ここはとあるお洒落なカフェなのだ…

(…茉莉ちゃんの事になると、美香って人が変わっちゃうんだよねぇ。)

大樹は心の中だけでこっそり溜息をつく。

『颯太郎さんはどうだったの?』

『…確かに颯太郎も、おかしかったかも。女の子たちを邪険に扱うのはいつものことだけど、今日はより冷酷だったし、取り憑かれたように仕事してたし…。』
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