ジャスミン
だが…結局のところ、そんな簡単に美香が逃がしてくれる訳もなく、翌朝更衣室のロッカーに【就業後、いつものとこで待つ‼︎来ないと絶交だからねっ! 美香】とデカデカと貼り付けてあってここにいる訳なのだ…。


全く心の準備もないまま、颯太郎と対面することになってどうしたら良いか分からない…。

休日の間ずっと頭の中を巡っていたことをはっきりさせるべきか。

でもそれは、二人の関係を終わらせることになってしまうのかもしれない。

なかなか決断することが出来ずに沈黙が続く。


暫らくの沈黙の後、颯太郎がゆっくりと口を開いた。

『こんな事言うなんて何て女々しい奴なんだって自分でも思うんだが…でもやっぱり知りたい。…金曜の夜、どうして先に帰った?本当は体調が悪かった訳じゃないんだよな?』

茉莉は予想していた話ではなかった事に面食らいつつ、このモヤモヤした気持ちをどうやって説明したら良いのか迷ってしまう。

『…途中で帰ってしまってごめんなさい。担当する人間として軽率な行動だったと思ってます。』
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