ジャスミン
颯太郎はその様子を呆気にとられたように見るが、茉莉の仕草にピクリと眉を動かす。

『…なぁ、茉莉。西川に何かされたのか?』

『ほぇ?』

茉莉の何で知ってるの?顔で全てを悟る。


『はぁ〜、何でそんなに隙だらけなんだ…。』

颯太郎は大きな溜め息と共に両手で頭を抱えて項垂れる。

『え…ちょっと颯太郎?』

茉莉は颯太郎の様子に狼狽えているようだ。

『……はぁー、こんなんじゃ駄目だ。お互い一度冷静に起きたことをありのまま話さないか?』

『…ありのまま?』

何処からか音楽が流れてきそうなフレーズだが、お互いに色々なことが起きすぎていて噛み合わない会話に一度冷静に話し合うことが必要だと直感的に颯太郎は思ったのだ。

『……。』

言葉の意味を考えているような茉莉だったが、颯太郎と意見が合致したのか頷いて応えた。

『…そうだね。私もこんな訳分からない状態から抜け出したい…。じゃあ、私からね。』

茉莉はゆっくり息を吐き出すと、最近身の回りで起きたことを話し出した。
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