ジャスミン
〜茉莉〜

~♪~♪~♪~

携帯の着メロがぼやけた頭に聞こえてくる…。

『ぅうーん。うるさいなぁ…。』

現実と夢の間で、その音を無視しようとするが、相手はなかなかの強者。何度も繰り返し音を鳴らしてくる。

さすがに、起きないとまずいか?と自分自身に問い、うっすらと閉じていた瞼を開けた。

カーテンの隙間から日の光が入ってくる感じと、ガンガンする頭にもう一度瞼を閉じたくなるー。

両手をおでこに当て、抵抗するかのように目を覚ました私は、見慣れない天井に頭に?マークを点滅させる。

(ここはどこ?私はいったい…)

少し混乱気味になる頭を押さえつつ、身体を起こした。


どこかの寝室であろうか、黒で統一された品のある部屋。

部屋を見渡し、自分の横に誰かいるのに気がついた。

『はっ?!』

その人物はこちらに背を向け、まだ夢の中のようだ…

いよいよ混乱してきた頭を両手で押さえ、今度は自分の姿に驚愕した。

『えぇ~!?』

慌てて布団を被ると、寝ながらもう一度自分の姿を見る。

キャミソールと下着しか着ていない…。

(…これはもしかすると、もしかする?)

茉莉は昨日の記憶を必死に手繰り寄せようとする。


(…隣で寝ているのは、美香の彼氏の大樹さんの同期の颯太郎さんだよね…)

彼の名前を思い出し、恐る恐る顔だけを颯太郎の方に向ける。
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