その扉の向こう側
15歳
生徒玄関を入ってすぐのところの掲示板に、二・三年生のクラス割が書かれた紙が貼り出されていた。



自分の名前を確認し、同じクラスとなる女子全員の名前を見渡す。

そして、転校生も含めた学年全員の女子の名前を確認する。


「いない・・・な」


女子に興味があるわけではない。



あるのは名前だけ。


マナミ


俺たちの学年にマナミという名前の女子は一人いる。

しかし、すぐさま顔を見に行ったがあのときの記憶とは一致しなかった。



いくらあの事故がうちの近くだったからといって、同じ中学の校区の女子とは限らないのだろう。



それからは転校生が来たときは確認を怠らなかったが、やはりその人物が俺の目の前に現れることはなかった。
< 5 / 20 >

この作品をシェア

pagetop