お見合いの達人
あの人と待ち合わせたのは、

本社回りの合間のランチだった。


まだプランニング中であっても、すでに文具カフェ化する計画は動き出していて、

本社での会議に頻繁に参加しなければならなかった。


私の企画課への移動も、この企画にかかっていると言っても過言ではない。


一つ心配なのは総務のお局の浜木さんがそこの店長になることだ、

会議中も頓珍漢な事を言って会議が停滞してしまい、


結局大きな進展もないまま、会議もお開きになり、

次回に持ち越された。


化粧室でざぶざぶと顔を洗って、


ふ~とため息をつく。


「勘弁してほしいな……」

ショップの方の管理事務も滞っていると言うのに、

この無駄時間正直心が折れる。

一体今日は何時に帰れるだろうか。



「どうせ私のこと笑ってるんでしょ?」


「え?」



個室から現れた浜木さんは泣きはらしたような眼をして私をにらんだ。




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