佐藤さんは甘くないっ!

「………柴、あんた反省しなさい」


同僚の律香が呆れた顔でカフェオレを啜った。

わたしは顔を顰めたまま目の前の苺タルトにフォークを突き刺す。

お気に入りのカフェで同僚とお喋り、なんて素敵な昼下がりだろう。

……話のネタがちょっと、いやかなり微妙だけど。


「なんで!?大半のことは鬼畜シュガーが悪いと思うけど!?」

「……しかもそのあだ名……ナンセンスだしばれたらそれこそ殺されるよ」

「だ、だってぴったりじゃない?」

「いやいや……あのパーフェクトな佐藤さんにそんなこと言うのあんたくらいだから」


律香はやれやれと言いたげに肩を竦めて苦笑した。

パーフェクト?あのひとが?

わたしの言いたいことを読み取った律香は頬杖をついて溜息を零した。


「あの容姿だけでも十分なのに仕事もできる有能っぷり、加えてもうすぐ部長に昇進だよ?」


中身は結構酷いと思うけどな。

もぐもぐとタルト生地を咀嚼しながらココアで咽喉を潤す。

あー、甘いものって本当に幸せにしてくれるなぁ。

こんな至福の時間に鬼畜シュガーのことなんて考えてる暇はないわ。


「ていうか柴って、佐藤さんと仲良いよね」




………はい?

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