黄昏に香る音色 2
「素直じゃないな」

廊下を早足で歩く里緒菜。

その前方に、壁にもたれかかった和也がいた。

里緒菜は、ちらっと和也を見ると、

「別に」

一言だけ残して、そのまま階段を降りていった。

和也は、その後ろ姿を見送った。




「藤木くん」

祥子が、声をかけた。

和也が振り返ると、香里奈たちがいた。

「和也…」

直樹は、和也に近づく。

和也はフッと笑うと、直樹の肩に手を置いた。

「帰ろうか」

直樹は、少し考えた後、

軽く頷いた。


「……ねえねえ!昨日のテレビなんだけどね」

話題を変える為に、祥子が口を開いた。

4人は、歩きだした。

直樹と和也の前を、香里奈たちが談笑する。

直樹は、香里奈の横顔を見つめた。




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