黄昏に香る音色 2
ティアと呼ばれたブロンドの女…。

ティアは微笑み、

「いいのよ…お金なんて…後で」

ティアは女の耳元で、そっと囁いた。

「今日は、一人で来たのね。それはダメって…言ったはずよ」

ティアはさらに、微笑むと、女の耳を掴み、

そのまま、女を外へ引きずり出した。

女は、耳がちぎれそうになっていても、興奮していた。

「次に、来る時は…あなたの、大切な人を連れて来なさい」

ティアは扉を閉めながら、

「あなたの大切な人…それが、この会場のチケットよ」

外に出され、泣き叫ぶ女。


女は這いずりながら、中に戻ろうとするけど、

ティアは鼻で笑いながら、扉を閉めた。


< 30 / 539 >

この作品をシェア

pagetop