黄昏に香る音色 2
「お招きいただき…ありがとうございます」

プライベートとして、食事に誘われたジュリアは、

世界一安全で、世界一世間から…プライベートを守れる場所にいた。

ホワイトハウス。

長いテーブルの向こうに、

現アメリカ大統領、エドワードがいた。

「あまり堅くならずに、リラックスとして…」

並ばれた数多くのお皿と、

格闘している無邪気な少年のような男が…

大統領とは…。

思わず、ジュリアは微笑んだ。

「今日…あなたを呼んだのは…」

「プレジデント…」

ジュリアは、ナイフとフォークを置き、

エドワードを見た。

エドワードは言葉を止め、

「何だい?何でも聴いてくれ。国家機密以外は、こたえよう」

エドワードも、フォークを置いた。

ジュリアは、1つ1つ頭で考え、

ゆっくりと、言葉を選びながら…話していく。

「プレジデントは…この国以外のことを、どう考えとらっしゃいますか?」

「ちょっといいかな?」

エドワードは、会話を止めた。

「プレジデントは、やめてくれ。折角の2人っきりだ!エドワードと呼んでくれ」

エドワードはウィンクした。

ジュリアは少し苦笑すると、

すぐに真剣な表情になり、

「エドワード。この国は豊かです。しかし、他の国々は…貧しさが、溢れています」
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