黄昏に香る音色 2
しかし.....


香里奈のオーディション参加は、決定していた。

優は、自分の分と香里奈の分の参加用紙を、もう送っていたのだ。

応募数は、3万をこえたが、一斉に振り落とさせた。

書類選考で。

いや、写真判定で。

顔が悪い者は、すぐに落とされた。

歌を聴くこともなく。

同封されていたMDや、tapeは聴くこともされなかった。

それが、今回のオーディションを物語っていた。

広告塔である歌手は、

まず顔だった。

三分のニが、これで落とされて、

さらに、里緒菜の母親が、写真を見、

さらに半分が落とされた。

香里奈は、tape等を送付してなかったが、

母親が独断で通した。

残りの五千名が、

僅か数秒だけ、tapeを聴かれ、

引っかかるものがない者は、次々に落とされた。

最終、百くらいになってはじめて、

本格的なオーディションをすることとなった。



「はい」

優は放課後、香里奈を呼び出すと、

二次オーディションの参加資格票と、場所を書いた紙を渡した。

「ごめん。応募する時、速水さんの住所分からなかったから…あたしのとこにした」

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