黄昏に香る音色 2
営業が終わったダブルケイに…女が2人。


「明日香。あんたが…音楽を始めたから…」

里美は、片付けを終え、カウンターから出てきた。

手に2つのグラスを持って。

「あんたがいたから、みんな…ここにいるのよ」

里美から、グラスを受け取りながら、

明日香は、首を横に振った。

「ちがうわ」

明日香が受け取ったグラスには、ワイルド・ターキーが入っていた。

恵子が、好きだったお酒。

明日香はそっと、1口飲むと、

「この場所があったからよ」

里美に微笑んだ。

「そうね」

里美は、明日香の隣に座ると、グラスを差し出した。

「この店と…」

「あたしたちと…」

「子供たちの未来に…」

2人は微笑み合い、

「乾杯!」

グラスを合わせると、

乾杯した。

すべての未来に。

これからの明日に。




パーフェクト・ボイス編

完。


そして…

物語は…

それぞれに

続いていきます。

永遠に…この場所で。


KK(ダブルケイ)。
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