黄昏に香る音色 2
「皆さんにご紹介…紹介は無用ですかな」

時祭会長が、志乃をエスコートする。

驚く会場内の人々の視線が、志乃に釘付けになる。

自慢気に、会長が話す。

「我々時祭財団は、ディーバ天城志乃を、全面的にバックアップすることにより、音楽と食を、基本とした一大プロジェクトを始動させます」

会長は手を広げ、

「それは日本を越えて、まずは、アメリカからはじめたい!」

志乃は一歩前に出てて、深々と頭を下げた。

「天城志乃の全米デビューとともに」

会場がざわめく。



それが、運命の始まりとなる。
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