天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「どうかしたのか?」

顔を向けたアルテミアの口元が、血で真っ赤だ。

「いえ…」

ギラは自分でも血を吸うが、その時のアルテミアには、異様な殺気を感じていた。

ギラはその場で深々と、頭を下げた。

(クスッ)

アルテミアは笑った。


かなわない存在。

「今は、昔より…格段に、弱くなったというが…」

ギラの額に、冷や汗が滲んだ。

「信じられん」

ギラは緊張と恐怖に、体を強ばらせた。





その頃、僕はやっと…

大陸の岸部に、辿り着いていた。

浅瀬から、やっと抜け出し、

砂浜につけた足跡を、すぐに波に消されながら、海からやっと抜け出した。

遠くの方から汽笛が聞こえ…昨日の夜、日本を出航した船が、ドックに入っていくのが見えた。

しかし、煙が上がっており、船は半壊していた。



僕が海を渡っている時、船は魔物に襲われ、沈みかけていた。

だけど、僕が他の魔物と戦いながら近づくと、襲っていた全魔物は…船から僕へと攻撃対象を変え、襲いかかってきた。

「おかげで…レベルは上がり、ポイントも入ったけど…」
< 130 / 1,566 >

この作品をシェア

pagetop