天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「しかし!」

サラはサーシャに向かって、空中から飛びかかる。

「まだ、この位では!」

サラの頭に生えた…2本の角が光り、そこから辺り構わずに、四方八方に、電撃が放出される。

いくつかは、結界に当たった。

「ヒィィ」

結界のあっちこっちに、ひびが走る。

結界を張れない普通の兵士は、ひびを見ただけで、腰が引けていたが、

結界士達は、修復に走り回った。

(しかし…このままでは)

ロバートの意識をよんだサーシャは頷き、

ジャンプした。

黒光りするドラゴンキラーが、サラの角に向けて、振るわれる。

(サラよ!戻れ!遊んでる場合ではないぞ)

サラの頭の中に、バイラの声が響いた。

「遊んでる訳ではない!」

サラは、叫んだ。

サラの苛立ちが、声から分かる。

それに、無謀にもこっちに飛び込んでくるサーシャの自信も、気にいらなかった。

至近距離から、最大魔力を込めたサラブレイクを放つ体勢に入る。

(女神の片割れが、本陣に近づいている)

バイラの言葉に、ほんの少しだけ…サラの動きが止まった。

「重力遮断」

サーシャの体にかかる重力が消え、

サーシャ1人、無重力の中、

有り得ない動きで、サラの後ろに回った。
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