天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「何だ?」

ドラゴンナイトの死体を踏みつけ、サーシャは、ロバートに戻った。

少し汗を拭い、安堵の息を吐いた時に、それは起こった。

赤星が、いると思われる場所に、

凄まじい雷が、落ちたのだ。

まるで、世界中の雷を、一カ所にまとめて、落ちたような輝きと、大地と大気を震わす…衝撃。

ロバートは、魔物探知レーダーをスイッチを入れた。

あれほどあった魔物の反応が、一つもなくなっていた。

いや、

一つだけ反応があった。

それは、どんな魔物よりも大きく、強力な魔力を示していた。

「神クラス以上!?何があった…」

ロバートは、レーダーをしまうと、カードを取り出した。

「赤星君は、無事なのか?」

高速バイクを召還したロバートは、バイクに跨りながらも、冷や汗を流した。

「多分…俺達が行っても…駄目かもしれない…」

ハンドルを握る手に、汗が滲む。

「しかし」

ロバートは、バイクの鍵穴代わりの収納口に、カードを差し込んだ。

バイクは、タイヤをたたみ、空中に浮かび上がる。

「何とか助けないと」

スロットをふかすと、バイクは猛スピードで、草木の少ない草原を、疾走した。
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