天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}

激突!

世界中に、警報が鳴り響いた。

伝令式神達が、忙しく飛び回り、魔法通信はほとんどが、2人の魔力に影響され、つながらなくなった。

スイス辺りから、飛び立った2つの黒い塊は、最初はすべてを凍らせ、次はすべてを溶かし、燃やした。

万年氷山も、氷が溶け出し、まるで雪崩のような大量の水を、発生させ、

麓の村を壊滅させた。

被害は、それだけですみそうになかった。

2人の女神が、どこに向かっているかわからないが…彼女達が通った所は、みんな死ぬ。



「どうします?応戦しますか?」

暗い…何も見えない空間に浮かぶ8つの白い椅子に、腰掛ける8人の安定者。

ギリシャにある魔法管理局の最深部にある安定者の間で、8人は、衛星軌道上に配置された式神監視衛星から、送られてくる映像を、直接頭の中で見ていた。

「この近くを、通ることになりますが…」

ジャスティンの言葉にも、他の賢者は、反応を示さない。

ジャスティンと同期であるクラークだけが、他の賢者達を観察し、反応を見守った。

「機動隊を出しましょうか?何なら、私が出ますが…」

席を立とうとしたジャスティンを、1人の賢者が手で制した。





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