天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「ライ様…始まりました」

闇の間で、玉座に座るライの前の闇が、さらに暗くなり、質量を持った闇に 変わる。

「そうか…」

闇から滲み出たように、ラルが現れ、跪く。

「このままでは…天空の女神は死にます」

ライは、ずっと目をつぶっている。

「王よ」

ラルは、頭を下げた。





「構わぬ」

ライは一言だけ言うと、まったく動かない。

動揺もない。

ラルは、ライの言葉を聞くと、もう一度頭を下げ、そのまま前から消えた。

ライは、そのまま…闇に包まれ、座り続けた。
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