天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「意志の強さが、すべてだ」

蘭丸は、微笑んだ。

「クッ!」

ロバートは、手をクロスした。

ナイフは、ロバートの全身に突き刺さった。

「ほお」

蘭丸は、感心した。

ナイフは、突き刺さってはいなかった。

とっさに、ロバートは自分自身に結界を張ったのだ。

「結界士か」

蘭丸は、にやりと笑った。

「しかし」

ナイフは鞭に変わり、ロバートのに絡みついた。

「な」

信じられない力で、結界ごとロバートは振り回され、

突然できた壁に、叩きつけられた。

鞭が解かれると、今度は針のように尖り、結界を抉るとロバートの首筋をかすり…壁に突き刺さった。

ロバートの首から、血が流れた。

「この程度の結界で安心していると…死ぬことになるぞ」

蘭丸は、鋭い目つきで、ロバートを射抜いた。




「なぜだ」

信長は、剣を交えながら、僕にきいた。

「どういうことです」

信長の切り返しを、僕は両手の鈎爪で防いだ。

「あの時…お主は…」

信長の攻撃は、激しさを増す。

僕は防ぐので、精一杯だ。

「わしを…」

信長の刀が、僕の鈎爪を押す。

あまりの力の強さに、僕の両腕が、震え出す。

「わしを助けようとした?」





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