天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「我々は、餌なのだよ!魔王という神に創られ、世界に放牧された…家畜!それが、人間だ」

すぐに、砂はまた、2人の足元を覆う。

「どんな生き物よりも、生きることに貪欲で、勝手に増えていく。ただ食べられるのではなく、武器をつくり、抵抗する。退屈しのぎにもいい」

蘭丸は、大笑いした。

「そして、安定者とは…その家畜を管理する為に、魔王がつくった機関!」

「な!」

ロバートは絶句した。

「俺は、堪えれなかった!人を守るのが、我らの使命ではなかったのか!」

蘭丸の心からの絶叫は、こだまする。

「しかし、俺は知った。圧倒的な存在を!神を!どんなに、強くなろうと、届かぬ存在に!」


「ふざけるな!俺達は、人を守る為に…」

「違うのだ…人を殺す為だ。あの世界の人間は、みんな家畜だ!だから、俺は!探した!人が、家畜ではない世界を」

蘭丸は、両手を広げ、

「人が、君臨する世界を!」

「蘭丸…」

少し離れた所で、紅は悲しげに、蘭丸を見つめていた。



「俺は、何年もかけて、やっと…人が君臨する唯一の世界を見つけた」


「それが、僕の世界なんですね」

ロバートと蘭丸の間に、僕は割って入った。



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