天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「ロバート…」

突然、自分の攻撃の中から飛び出してきたドラゴンキラーに、アルテミアは唖然とした。

左肩を貫いた痛みよりも、なぜか暖かさを感じた。

「餞別だ…ドラゴンキラーはくれてやる」

それは、ロバートの最後の言葉だった。

アルテミアの放った雷撃は、アフリカ本部やそこで亡くなったすべての者を、消滅させた。

あとに残ったのは、ただの砂だけ……。


目を見開き、アルテミアはその光景に震えだした。

突き刺さったドラゴンキラーを引っ込抜いた。痛みも、傷もなかった。

アルテミアは、ドラゴンキラーを持ちながら、膝を落とした。

そして、嗚咽し、絶叫した。


「あたしに戦えと言うのか!ロバート!!!誰と、何の為に!あたしは、何の為に戦えばいいだよ!!!」

アルテミアは、ただ1人で泣き叫び続けた。
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