天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
入道を確認すると、ジェシカは震えを止めた。

縛られていた縄を、一瞬にして解くと、

ジェシカは、胸元に隠していたカードケースに入れたブラックカードを取出し、

腕に装着した。

「ターゲットを捕捉!Digシステム発動します」



「な、なんじゃ!こりゃあ!」

連れて来られた女が、いきなり、黒い霧に包まれたと思ったら、

見たこともないメタリックな黒のボディに、まがまがしい魔力を発する謎の人間が、そこにいた。

ジェシカのボディラインの為、そこに立つ者が、女であることがわかる。

「ターゲットの数は?」

ジェシカの耳に、マリア・アイズレーの声が聞こえた。

「目の前は、3匹ですが…」

マリアの瞳の前にあるスクリーンにが、壁の向こうや、周囲に無数の魔物の反応がある。

レベルは、21~50までまちまちだ。

「大したことないわね。10分以内に、全部排除してね」

マリアの声に、ジェシカは頷いた。

「了解しました」

ジェシカは、返事すると、作戦行動に移る。


「おい!姉ちゃん!それは、何かのコスプレか?」

ジェシカに近づき、まじまじとジェシカの上下を見る。

ジェシカの目に、入道のレベルが映る。

レベル50。

(こいつが…一番レベルが高い)

ジェシカは、右手を動かした。

入道の腕を掴んだ。

すると、入道の丸太程の太い腕が、簡単に引き千切れた。


「うぎゃああ!」

入道は唖然とし…間を開けて、喚きだした。

「何さらしとんじゃ!われ!」

入道の一つ目から、光線が放たれた。

「馬鹿ね」

マリアは、クスッと笑った。

光線は跳ね返り、そのまま入道に直撃した。




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