天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
僕は、目だけをジェシカに向け、微笑んだ。


そして、前を見ると、ゆっくりと城へ……その前にいる数万の魔物に向かって、歩き始めた。

(王だ…)

魔物の意識が、赤星に流れ込んでくる。

(王が通られる)

魔物達は、赤星の為に、道を作る。

(これは…王と王の戦い…)

(我々の…手出しは無用!)

僕は、ゆっくりと歩いていく。

城への道の途中で、足を止めた僕は、シャイニングソードを天にかざした。

「魔王ライよ!世界をもとに戻す時が、来た!世界を解放しろ!誰も、生きるものの自由を、侵すことはできない!そして、人も…」

シャイニングソードの示す先から、天を覆う分厚い雲が裂け、太陽の光が、魔物達を照らした。

「すべてが愚かではない!」

僕は、シャイニングソードを道の向こうへ突き出した。

魔物達は、左右に下がり、道幅を広げた。

ライの居城には、門はなかった。

いや、壁もなかった。

僕の左右にした数万の魔物が、視界から消え………向日葵畑は、冷たい石の床に変わった。

空は、天井に塞がれた。




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