天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
掃除のおばさんに、コッテリと怒られた後、

僕は清掃会社の事務所で、ユニフォームから服を着替えていた。

最初の頃は、パジャマだったけど…寝た時の姿で、この世界に来ることがわかってからは、デニムをはいて、Tシャツなど動きやすい格好で寝ていた。


着替えてから、ロッカールームを出て、タイムカードを押す為に、僕は事務室にいく。

タイムカードは、そこで押すことになっているからだ。

僕が、カードを手に取ると、

「お疲れ様です」

後ろから、透き通った声がした。

少し緊張しながら、僕が振り向くと、横に4つ並ぶディスクの一番入り口寄りに座る少女が、微笑んでいた。

「お、お疲れ様でした」

僕は緊張しながら、少女に挨拶した。

三橋奈津子。

僕より少し年上で、このおっさんやおばさん臭い会社において、唯一の癒やしキャラだった。

ショートカットに、おっとりとした話し方は、本当に和んだ。

僕は少し奈津子さんに、憧れを抱くようになっていた。

深々と頭を下げると、僕は少し慌てて、事務室を出た。

ドアを閉め、廊下の壁にもたれ、激しい鼓動を刻む胸を押さえていると

先程、僕を注意したおばさんが前を通った。

「フン!浮かれおってからに…」
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