天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
美奈子は、にこりと笑いかけると、
マスターに近づいていく。
「…」
マスターは、目を見開いたまま…扉の前から動けずにいた。
美奈子は微笑んだまま、マスターの目の前で止まった。
「本当は…」
美奈子は、喫茶店を見上げた。古風なレンガ造りの外装は、コンクリートだらけの町で、目立つはずだった。
「三人で来たかったのですけど……」
美奈子は視線を、マスターに戻し、
「どうしてか…」
美奈子の視線の鋭さに、マスターの全身に緊張が走る。
美奈子はまた微笑み、
「二人には、ここが見えないようなんでよ。気配は、感じるようですけど…」
「……」
マスターは目をつぶると…やがて、フッと自嘲気味に笑った。
「それに……」
美奈子は、マスターの変化に気付きながらも、一番気になることを言葉にした。
「女神とは…何です?」
マスターは目を開け、真っ直ぐに美奈子を見、
「私達が言う女神は……我らを率いる者。率いる力を持つ…他とは、違う力を持つ存在のことです」
「それが…赤星綾子ですね」
マスターの説明に、美奈子は質問した。
一瞬、マスターの目に動揺が走るが…すぐに、彼は平常に戻る。
「そうです。……そして」
マスターは、ゆっくりと膝を折り、
「あなた様もまた……女神です」
その場で、跪いた。
「女神…テラよ」
深々と頭を下げるマスターを、目だけで追いながら…美奈子の顔から、笑みが消えた。
「綾子様…そして、あなた様。この世界は、二人の女神を誕生させたのです。理由は、わかりませんが…」
美奈子は一度、軽く深呼吸をすると、
「あたしに、力はないわ。だけど、あなたがいう力があると仮定して……女神とは何?あなた達の目的は、何?……あたしには、あなた達の真意がわからない」
美奈子の言葉に、マスターは跪いたまま、おもむろに話しだした。
マスターに近づいていく。
「…」
マスターは、目を見開いたまま…扉の前から動けずにいた。
美奈子は微笑んだまま、マスターの目の前で止まった。
「本当は…」
美奈子は、喫茶店を見上げた。古風なレンガ造りの外装は、コンクリートだらけの町で、目立つはずだった。
「三人で来たかったのですけど……」
美奈子は視線を、マスターに戻し、
「どうしてか…」
美奈子の視線の鋭さに、マスターの全身に緊張が走る。
美奈子はまた微笑み、
「二人には、ここが見えないようなんでよ。気配は、感じるようですけど…」
「……」
マスターは目をつぶると…やがて、フッと自嘲気味に笑った。
「それに……」
美奈子は、マスターの変化に気付きながらも、一番気になることを言葉にした。
「女神とは…何です?」
マスターは目を開け、真っ直ぐに美奈子を見、
「私達が言う女神は……我らを率いる者。率いる力を持つ…他とは、違う力を持つ存在のことです」
「それが…赤星綾子ですね」
マスターの説明に、美奈子は質問した。
一瞬、マスターの目に動揺が走るが…すぐに、彼は平常に戻る。
「そうです。……そして」
マスターは、ゆっくりと膝を折り、
「あなた様もまた……女神です」
その場で、跪いた。
「女神…テラよ」
深々と頭を下げるマスターを、目だけで追いながら…美奈子の顔から、笑みが消えた。
「綾子様…そして、あなた様。この世界は、二人の女神を誕生させたのです。理由は、わかりませんが…」
美奈子は一度、軽く深呼吸をすると、
「あたしに、力はないわ。だけど、あなたがいう力があると仮定して……女神とは何?あなた達の目的は、何?……あたしには、あなた達の真意がわからない」
美奈子の言葉に、マスターは跪いたまま、おもむろに話しだした。