公認ストーカー



園子の後ろ姿を見ながら考えた。
とうとう俺もストーカーを家に泊めるようになっちまったな、と。



自分自身に笑いが込み上げてくる。



しばらくして、かちゃっと扉が開くと濡れた髪をアップにまとめ、Tシャツと短パンを着た園子が入ってきた。



その際に不覚にも心臓がドクンと大きな音を
立ててしまう。



「あ、ありがとうございました。私、ここで寝かせてもらいます」



ソファーに自分が背負っていたリュックを載せそれを枕にして寝転がる。



目の前のその姿に脈打つ心臓が煩くて仕方ない。



「おい、コラ!お前は向こうで寝るんだよ。俺がこっち」

「…え?そうなんですか?でも…」



上目遣いで目を大きく開けた園子が可愛いと思ってしまう。



この感情はなんだ?なんだかヤバイぞ俺。



普段は髪を1つにまとめ、あまり化粧っ気もない姿で色気も何も感じなかったのに、風呂上がりの石鹸の匂いと少し火照った顔が俺の感情を狂わせる。
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