この空の下で
「おはよー。凛ちゃん。」
「おはよ・・・
ってえ?なに?どこ?あれ?」
居酒屋を出た後、みんなで車に乗った。
あたしが眠そうだからと、
なぜか助手席に乗らされた。
絶対寝ないで話し相手になるから!
と言い切ったあたし。
「ごめん。本気で寝ちゃってた。」
「大丈夫!2人も寝てるから。」
そう言い後ろを指差し笑った。
時間を見るともう午前4時。
「やだこんな時間じゃん。
どんだけ寝てたのあたしは。
優くん大丈夫?ってここはどこ?」
「俺も寝たから大丈夫!
海に1時間前位に着いたよ〜。
ねえ?ちょっと外出ない?
花火買ってきたから!」
「1人で買ってきてくれたの?
結衣たち起こす?」
後ろを向くと寄り添い寝てる2人。
起こすのかわいそうか。
2人で花火をすることにし、
静かに車を降りた。
あんなに気まずかったのに、
お酒が抜けてきたからか、
普通に話してるあたし。
花火をするのは久しぶり。
この人と、しかも笑いながら。
はしゃぐあたしに便乗して、
優くんもはしゃぐ。
不思議な光景。
かなりあった花火もあと少しになり、
結衣達を見に行くが、爆睡してる。
「起きね〜から、これやっちゃう?」
そう言い出してきたのは、
大量の線香花火。
「ものすごい量だね。」
「凛ちゃん線香花火好きでしょ?」
砂浜を先に歩きながら、
振り向き笑う優くん。
「え?」
立ち止まるあたしに、
好きでしょ?と言い、手を出してきた。
その手をとらないあたしに、
歩きづらいでしょ?
と言い、手を出せと合図する。
さっきからヒールが砂に埋まり、
確かに歩きづらかった。
靴を脱いでしまおうと思ったけど、
あたしの車じゃないし。
そっとあたしは手を重ねた。
優くんの手は大きかった。