重なり合う、ふたつの傷


《へぇー。私、自己紹介とか苦手だからいなくてよかったかも》


神田ルミ(かんだるみ)は私の唯一の親友だ。


中学二年の時、私は一年の時の友達が全くいないクラスになった。というより、元々、友達が少なかったのだ。


クラスの女子は既にグループができていて、私はどこにも所属できずにいた。


常に『独り』ポツンと吸収されない雨粒のように退屈で居心地の悪い日々を過ごしていた。

そんな梅雨のような私にルミが話しかけてきてくれたのだ。


「一緒に話そうよ」


その一言が私に光をくれた。

独りでも平気そうな顔をして席に座っていたけど、本当は誰にも話しかけられない私の胸はつぶされそうだった。


ルミは話上手で、誰とでもすぐ仲良くなれた。だから、ルミの周りにはいつも誰かがいた。


そんなルミのグループに入る事ができたのだ。


それでも私は不器用でうまく群れる事ができず、メールもルミからしかこなかった。




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