不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~
第21章 悠真



月曜日

「おはよう」

「あら、おはよう。今起こしに行こうかと思ってたのよ」

今朝も朝練がある。

6時過ぎに慌てて起きて階段を降りると階段の下にお袋がいた。

「ん」

「涼…寝不足?」

俺の顔を覗き込んで

「大丈夫?」

「あ、ん。大丈夫だから」

お袋から逃れるように洗面所へ

確かに鏡に映った俺は目が腫れぼったい。

冷たい水で何回も洗ってダイニングに行くと

「寝坊か」

親父が朝飯を食っていた。

「おはよ。寝坊つったって10分くらいだ」

親父だって未だにお袋に起こしてもらってるくせに。

「ん?寝不足か?」

親父にもバレてる。

「ちょっとね」

「はい涼、食べちゃいなさい」

「ん」

俺の前にトーストとベーコンエッグとサラダとコーヒーが。

「いただきます」

「はい、召し上がれ」

7時から始まるので急いでかきこんで…

コーヒーがいつもより少しだけ濃い。

お袋を見ると 何も言わずにニコッと。

「ごちそうさま。いってきます」

弁当を鞄に入れて家を出る。

「あ、母さん陽菜は?」

「陽菜?まだ寝てるわよ。あの子はいつもの時間でいいんだから。…何か用事?」

「あ、ううん。いってきます」

お袋はこう見えて鋭いからな。

でも心配かけたくはない。

「いってらっしゃい。気をつけてね」

自転車で学校へ。


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