不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~



「さ、木田、行こうか」

警官が手を出すと

「嫌だ!俺は何も」

警官すら弾き飛ばす勢いで暴れだす。

そして先輩と陽菜の方に。

陽菜は怯えてガタガタ震え

先輩が陽菜を抱き寄せる。

「馬鹿野郎!いい加減にしろ」

バシッ!

今度は俺が殴りつけた。

「てめえなんかに凛を陽菜を傷つけることなんてさせねえよ」

俺がまた手を上げると

「涼、もういい」

上げた手を握られ

「落ち着け。凛ちゃんも陽菜も大丈夫だから」

「……」

「なっ」

俺に殴られて尻餅ついた木田に

「じゃあ行こうか。これ以上暴れると公務執行妨害の罪状も増えるぞ」

「……」

さすがにもう言い逃れも暴れもせず警官に両脇を抱えられ部屋を出て行く。



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