営業の森さんと事務の高橋さん
営業の森さん
営業の森さんは私にだけやけに厳しい。

森さんは、そりゃあ美人だわ背が高いわ、よく仕事がお出来になるわ、正社員だわと多少の無愛想差し置いても、私のようなごくごく普通の派遣さんとは違うんである。

いや、派遣さんと言ってもこのご時世ですからいくらでも燻っている優秀な人はいるんですけどね。

私はもうホント、盆百というやつでして……

このままでいいのかなぁ……

なんて言いつつ、新刊を積ん読するだけして、最低限の身繕いして、動画サイトで安っぽいホラー観て……

そうかといって特に仕事でヘマというヘマはしてないはずで。

それなのに森さんはやけに私に厳しく目を向けてくるんである。

こちとら滅法気が弱いので、これが大変怖いのだ。

レズビアンじゃねぇんだが、女の子も美人も大好物ではあるけれど。
睨まれて、えへらえへらと
『萌え(*´∀`)』
なんて気にはなれない。

いや、ホント。

んで、特に森さんとお話ししたことはないわけでして。


そりゃ、女子には(男子もあるかもしれんが)たまあに、初対面からマウント取ってくる子もいるけれど。
それでなんどか嫌な思いしたこともあるけど。

どうもそのテのタイプにも見えないわけでして……
< 1 / 2 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop