恋して狼!~狼たちと籠の鳥~
プロローグ
今日も朝からニュースは話題の男の子たちでキラキラしている。
もう30だもんなぁなどと思いながら大きく伸びをした。
「今日も仕事だぁ」
1人部屋に大きく響く声、実際はきっともう少し小さい。
星占いは最低だし外は雨、出かけたくないなぁとは思うけど支度しなきゃ。
仕事に行くために支度をして冷蔵庫から栄養ドリンクを出して腰に手をあて飲み干す。
こんな毎日も終わりにしたい。
いい恋がしたい
どこかに落ちてないかなぁって落ちてる訳ないよね。
ため息をついて1人部屋に行ってきますと言ってから玄関を出た。
築25年のボロアパート、利点はただ1つだけ家の前が駅だということだけだ。
階段をヒールの音を響かせながら降りていく途中、雨で思いっきり滑り落ちた。
「ったくなんて日だよ」
目を開ければ私はその人の上にいたわけで・・・しばらくみつめあっていたが慌ててどいた。
「ごめんなさい」
「ってぇ、あんた如月さん?」
「はい」
意味が分からず目を白黒させていると小包が差し出された。
つまりはこの人は宅配便のお兄さんということだ。
「印鑑いま持ってきます」
「サインでいいだろ
ったくどんくさい」
どんくさい・・・どこの運送会社の人だろう、後でクレームいれなきゃ。
「って遅刻しちゃう」
私は小包を手提げにいれて急いで駅に向かった。
電車に揺られながら今のことを振り返る、本当に今日は最悪だ。
会社についてもあまり気乗りしないまま仕事をしていると真ん前のデスクの真紀が顔をだす。
「どうしたぁまたふられたの?」
「ふられてないよ
私に彼氏いないこと知ってるでしょ」
「そうだったかぁ。
ならここに行ってみたら?」
地図を書いた紙切れだった。
「なぁにこれ?」
「内緒、まぁいってみなよ」
親友の頼みを無碍にするわけにもいかず私は渋々頷いた。
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