Love Game



「瑞希さん」

「……」

「瑞希さん」

俺の耳元で

「瑞希だから」

「……」

「貴方が『漣』なら…私は『瑞希』だから」

「……」

「呼んで」

「……」

「ねっ?」

心が震えてる。

「瑞希」

「うん」

瑞希がはにかんだような笑顔を。

「瑞希…瑞希…瑞希」

「えっ?な、何?」

もう俺はめちゃめちゃ嬉しくて瑞希をきつく抱きしめ胸に顔を押し付けた。

瑞季が俺の胸に手を当てて

「漣…大好きだから」

小さな声で呟いた。

頭にキスを落とすと瑞希が顔を上げる。

ほんのり頬を赤く染めて目には優しい煌めきが。

「俺も好きだから」

聞きたかった言葉を瑞希が漸く言ってくれた。

それだけで俺は舞い上がる程に嬉しくて

「俺の心を瑞希にあげるから」

「…れ、漣?」

「瑞希の心を俺に」

「う、うん」

恥じらう瑞希が可愛くて

「ん。あ」

「えっ?」

「体も頂戴」

「ば、馬鹿!」

「クッククク…」

完全に瑞希に囚われた俺

だが

フッ

瑞希

ゲームは…

残念ながら俺の勝ちだな。





【第1章 完】



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