Love Game



「それに誰かさんは美波さんにベッタリだし」

「……」

漣?

「俺なんか眼中にないみたいだし」

私の気持ちなんか関係なく自分の気持ちをぶつけてくる。

漣の腕から逃れて

「瑞希?」

「漣…それ本気で言ってる?」

「えっ?」

「そ、そりゃあね、漣にそれだけ思ってもらえるのは嬉しい。でも」

「でも?何?」

「少しは自分の今置かれている立場とか…私の気持ちも考えてほしい」

「……」

「今の貴方は…何回もいうけどスターなんだよ。スキャンダルはタブーなの。それに相手がまだこの業界とかに関係ない人なら… 私は貴方のスタッフなんだよ。ありえちゃいけないんだよ」

「……」

「でも…貴方に出会って恋をしてしまった。貴方に『好きだ』って言われて付き合うことになって…本当に幸せなことだと思ってる」

「……」

「でも…いつも何処かで後ろめたく思ってる自分がいる。だからオンとオフの区別はつけてるつもりだし…絶対にバレちゃいけないの。あの麻耶さんの時も大変だった。またあんな目に合ったらどうするの?そ、そんな私の気持ちなんか漣…何にも分かってくれない」

興奮しすぎて自分が抑えられない。

心にある不安を全てぶつけるみたいに捲し立てる。

言っちゃいけない、これ以上は駄目だと頭では思うんだけど…



< 429 / 539 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop