花のように… ~先生が太陽で私はひまわり~
『届いてないっちゃ~』



私はちりとりを取りに階段を下りようとすると、陸上部のメンバーが階段を上がって来た。



その中の一人がちりとりを拾った。



『…はい』



彼は私にちりとりを渡した。



『あ…ありがとう』


私はぼーっとしていた。


彼の後ろ姿を見つめる。



彼の優しさが心を揺さぶる。



どことなく先生と優しさが被る。



彼の名前…



…聞いてなかった。


『愛華?…何ぼーっとしてんの?』



裕美が顔を覗かせる。


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