私の師匠は沖田総司です【上】
いつもならこの後に師匠との稽古があるのですが、今は師匠がいないので諦めることにします。

とりあえず部屋に戻ろうと部屋に向かっていたら、廊下を歩きどこかへ向かう斎藤さんの姿を見掛けました。

どこへ行くのでしょうか?

後ろをそっとついて行くと、斎藤さんが向かった先は道場でした。

そして扉から顔を覗かせてみると、そこにはたすき掛けをした斎藤さんと水の入った桶があります。

「斎藤さん、おはようございます」

「天宮!?」

朝の挨拶をしたら斎藤さんが驚いた様子でこちらを見ました。

「ここで何をしている」

「私は日課の稽古をしていました。斎藤さんこそ何をなされているんですか?」

「俺か?俺は、道場の掃除をしようと思ってな。隊士たちがやると雑でみてられん」

斎藤さんが「神聖な道場を何だと思ってるんだと」愚痴を漏らしていた。

なるほど、斎藤さんは綺麗好きなのか。うん、やっぱり斎藤さんは外見に違わず真面目な人だ。

そういう人は結構好きです。

「斎藤さん、私にもぜひ道場の掃除をさせてください」

「掃除をか?俺は構わないが……」

「ありがとうございます。では雑巾を持ってきますね」

私は雑巾を持ってきてから、斎藤さんと同じくたすき掛けをして腕を出した。
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