永遠の夏、めぐる季節の中で
初めての土地で

1話

「えーと、春花さんは東京から来たんだろ?」

家まであと10分ほど。

車内で疲れて寝てた所を起こされた。

ちなみに陽介が運転していて、春花と
湊が後ろで座って外を眺めている状態。

「あ、はい。そうですけど、ここは
ずいぶん空気が澄んでて緑豊かでいいですよね。」

「私、気分が良くなって嬉しいです。」
(?)
「あ。」

おっと口がすべった。あわわ…

「ん?気分が良くなったって?」

「東京は空気が悪いし、ゴミゴミしてるから気分悪くなるよな〜」

運転してる陽介との話に割って入ってくる湊。

続けて「実は俺喘息もちでさ〜、」
ぺらべらぺら

話がそれたみたいでほっとした。

いくらちょっと親しくなったからって
内面を聞かれるのはマズイ。

「この土地に引っ越してから良くなったんだ。」

「それは良かったですね〜。」

「あ、あとヨダレ顔についてるぞ。」

「え、えっ?!」

ぱっぱと顔を手でこすると冗談、冗談。
と言われて顔を赤くする。

あははっ。

「こら湊!」

「あとで宿題教えてやらないぞ。」

「えーっ、口がすべっただけだよー」

「ごめんね春花ちゃん。」

「いえ、気にしてないので。はは。」

ワイワイ。・・・

仲がいいんだなぁ。
私にもこんな兄弟がいたらなぁ。

そう思ってたら家に到着した。



< 3 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop