永遠の夏、めぐる季節の中で

2話

チュン、チュン、・・・
チチチッ。 カタガタ…。

頭上の屋根から鳥の騒がしい足音と囀りがしてくる。

(うーん、うるさいなぁ、もう少し寝かしてよ~。)

・・・ ・・・

バン!とドアが開く音がして
「こらー!いつまでねてるー!」

急に声がした。

「えっ、何?あれ。おじいさん、?」

・・・

「はぁ、寝ぼけていないでさっさと着替えて下に降りてきなさい。」

そう言うとさっさと階下へ降りて行ってしまった。

( あ。そうだった。昨日一日いろんなことがあって、祖父のおじいちゃんの 家で今日からしっかりお世話になるんだった。)

急いで着替えてリビング兼ダイニングへ行くと早速朝食の作り方を教わった。

なんども作り方を聞いて、失敗しかけながら、見て、聞いて頭に叩きこむ。

朝食は和食だった。

朝食だからあまり期待していなかったら、実家の貧相な食事と比べ物にならないくらい豪華
なご飯が食卓に並んだ。

ちなみに洋食はたまにらしい。

それから、廊下の雑巾がけ、トイレ掃除、洗濯物、昼の買い出しと昼食の準備、

戸塚兄弟からも聞いたが、昔はずっと国語教師をしていて、厳格で、頑固者と

評判らしい。人当たりはいいらしいが。


午後は、祖父の仕事の本の翻訳について色々教わったり、

(英語は海外留学が夢だったくらい、出来る。)
私の唯一の特技(?)なので、かじりついて話を聞いたりした。

近所の人の話相手になったり、(ひィ~)

また夕方に一緒に車でスーパーまで出掛けて、良い食材の選び方など教わりつつ、

帰宅、風呂掃除と簡単に夕食の手伝いがてら作り方を教わり…。と、

なにこれ、何の修行ですか。というくらいきつく感じた。

でもそんな事が2週間位続いた時、ふいに戸塚さん宅(ペンション)から
電話が鳴った。



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