遺手紙「貴女はもう忘れたかもしれないが」

モスクワ

○あなたはもう忘れたかもしれないが。

モスクワの町に出ましたね。小説家の方と一緒に、走れコータローもいたかな。
タクシーを止めるのが大変でしたね。小説家のおじさんが轢かれそうでしたね。

地下鉄に1区間だけ乗りましたね。お金は払えませんでした。
でかいおまわりさんに「ベトナム?」と言われたの憶えてますか?

○あなたはもう忘れたかもしれないが。

市内観光を貸し切りバスでしたとき、モスクワ大学に行きました。
三人で走ってトイレに行きましたね。とても大きな便器でほんとに驚きました。

青い空と美しい眺め。あそこが競馬場ですと指差されましたね、いまだに
わかりませんが憶えてますか?

クレムリンの石畳。レーニン廟。もう、あまり思い出せません。

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