遺手紙「貴女はもう忘れたかもしれないが」

出発の日

○あなたはもう忘れたかもしれないが

借りたお金でワーゲンを修理してベラホイで1ヶ月働きました。本格的に稼ぐ
ために西ドイツへ、私は絵描きのおじさん、佐々木さん?、と出発しました。

ワーゲンにはペイント、前に弁慶後ろに助六、ど派手ジャパンポップアート。
楕円形のツーリストナンバープレート。みんなが見送りに。

あなたは運転席のシートを何回も動かして固定してくれました。
今でもよく憶えています。本当によく人のために一生懸命尽くす人だと。

借金のプレッシャーが強くこの時期ほとんど会ってませんでしたよね。
あなたは日本人社会の中でぐんぐんと目立ってきました。

はちきれんばかりのマメタン全開でしたね。
ジュードーの佐藤氏とのうわさは耳にしていましたが・・・・・。
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