そこにいる
なに言ってんだ、コイツ!!


「そんな・・そういう事じゃなくて・・・」


「でしたら!!・・・証明なさって下さい。

49日の間に。

あなたが、完璧な『善人』である事を。

そうしましたら、このゲームも早く終了させる事が出来るかもしれませんよ。」



「・・・・・・・」



僕は、それ以上言葉が出なかった。



「それでは、健闘をお祈り申し上げます。」



それを言うと、男は電話を切った。

僕は、結局ゲームの主に言い負かされたのだ。

残された道は、彼の言うとおり、ゲームに勝つ事しかないのかもしれない。


次の日も、その次の日も、男の報告通り、1日に何人もの人が亡くなっていった。

僕らの学校の生徒も、空席が徐々に目立つようになってきていた。


ゲーム開始から7日目、菜都と連絡が取れない僕は、かなり不安だった。

菜都の身にも、何かあったんじゃないか・・・

ちゃんと生きているのかどうかさへ分からない・・・

電話をかけても、電源を切っている。

ケータイの電源を切っているという事は・・恐らく・・・・

こうやって、ケータイの電源を切ったりする行為は、ゲームの参加者だと安易にバレてしまう。


しかし、そんな事は菜都も重々承知のはず。

それにも関わらず、菜都が電源を切らざるを得ないのは、時間が迫っている証拠だ・・。


僕は、学校が休みの今日、菜都の家を訪ねることにした。


昼前、菜都を訪ねようと、家の前で愛車のマウンテンバイクにまたがった時だった。


「悠吾!」


僕を後ろから呼び止めたのは、幼なじみのシンだった。



「何処いくの?」


シンは真顔で僕を見つめた。


「うん・・・ちょっと・・・お見舞い・・」



「・・・菜っちゃんの?」

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