そこにいる

僕とシンは、しばらく自転車を走らせて、20分ほどで菜都の家の前に着いた。

一軒屋の菜都の家のチャイムを押してみた。

家の中はシーンとしている。


---ピン・・ポーンンッッ・・



僕は、もう一度チャイムを押してみた。


やはり、誰も出ない。


「あっ・・」


僕の隣に居たシンが声を出した。



「なに?!どうしたの?」


僕がシンに尋ねると、シンは菜都の家の2Fの窓を指さした。

昼間だというのに、カーテンがしっかり閉められていた。

しかし、よく見るとカーテンが少し揺れていた。



「さっき、菜都がこっち見てた」



「マジで?」


僕は、ゴクッとツバをのみ込んだ。


『まさか、ユーレイじゃないよね・・・』



「菜都ーーーーーーーっっ!!」


臆病な事を考えている僕の隣で、シンが菜都を呼んだ。

シンは僕に向かって、ニッと笑ってみせた。

その声に僕のばかげた考えはすっ飛んだ。


「菜ぁ都ぅーーーーーーー!!」



僕もありったけの力で、菜都を呼んだ。


それでも菜都は出て来なかった。


しかし、僕らは菜都を呼び続けた。



「菜都ーーーーーっっ!!こらぁ、出て来ーーーい!!」



< 41 / 88 >

この作品をシェア

pagetop