初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
中は殺風景だった。

長机とパイプ椅子が4つあるだけの部屋。


「ここは本当に誰も近づかないから」

「何で?」

「幽霊が出るっていう噂があるから。そうじゃなくても、気持ち悪いぐらい殺風景な部屋だしね」


この時ばかりは冷静になれた。

…いくら人目のつかないところとはいえ。
幽霊が出るとか噂のある部屋はダメでしょう、由依さん。


「大丈夫大丈夫!私何回もこの部屋に来てるけど、何も見たことないから。あ、でも時々急に寒く感じるかな?」


…それ本当に危ないんじゃない?


そい思いながらも、由依に座るよう言われて向かい側に座った。

そしてすぐに由依は本題に入った。

私は噂のことからあの日のことまで、正直に話した。
話している途中で、泣きそうになったがなんとか抑えた。

聞いた後の由依はしばらく「うーん…」と唸り、


「それから課長と連絡取った?」


と聞いてきた。


「取ってない…なんか怖くて」

「あーだから最近の江崎課長の閻魔具合に磨きがかかっているのか」
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