初めての恋はあなたと。 「その後」を追加しました
14.初めての恋はあなたと

週があけて月曜日。
私はビクビクしながら出社した。
江崎課長が飲み会の時にしたことについて本人から聞かされたからである。
少なくとも総務のお姉さま方は敵にまわしたかと思っていたが見事に予想は外れた。

『皆相当酔っていたしな。覚えていないんじゃないか?』って江崎課長言ってたし…そういうことにしておこう。


私は食堂で由依を待っていた。
毎度恒例だし慣れたけど…何故由依はいつも間に合うと言うのだろうか。
そして何故私は毎回信じて、温かい昼食を放っておくのだろう。


「ごめん遅れた!でも今日は特に閻魔様が色んな意味で絶好調だったの!」

「お疲れ様。そんなに大変?」

「新しいところと契約できそうだからねー…って仕事の話はいいのよ、金曜日の話聞かせて!!」

「う、うん」

由依の気迫に負け、私は事細かに金曜日と土曜日の話をした。
改めて言葉にしてみると予想以上に恥ずかしい。

そして聞き終わった由依が最初に言った言葉は、


「私課長が哀れに思えてきたわ…」

「ちょ、どういうことよ」


由依のことだから「よく言った」とか「おめでとう」って言ってくれると思ったのに。
江崎課長が哀れってどういうことよ!

由依は持っていたお箸を置いて、「だってさ?」と言った。


「確かに千夏は初めてだし仕方ないとは思うけど、抱きしめるぐらい許してあげなさいよ」

「いや、別に怒ってるわけじゃ…」
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