不道徳でも愛してる〜歪んだ愛のカタチ〜【短編:完結】
菜穂さんには悪いけど
彼を好きな気持ちは止まらない。
だから、彼を譲ってくれて感謝してる。
何度も何度もキスをした私達。
彼の膝を跨ぐように
向かい合わせに座らされ
彼は私のブラウスに手をかけて
ボタンを外していく。
「あっ、静樹…待って。」
『待たないよ。』
彼は次々とボタンを外して
ブラウスを脱がせた後
キャミソール姿になった私の鎖骨に
唇を這わしていく。
「…あっ、シズ…キ……。」
くすぐったさに身を捩らせると
『唯音…左手を出して。』
彼が唇を離して私を見つめた。
「…………左手?」
『いいから出して。』
私が首を傾げながらも
左手を彼の前に出すと
彼はズボンのポケットから
小さな箱を取り出し
中に入っていたあるモノを
私の左手薬指にグッと差し込んだ。
「………!!」
そこには素敵なデザインが施された
シルバーのプラチナリングが
キラキラと輝いていた。
「…えっ…あの…その。」
戸惑いを隠せない私に
『俺達の愛の証のペアリングだよ。
一生外すなよ。』
と、彼は自分の左手薬指を私に見せた。