君の名を呼んで
その手から離れようとした私を見下ろして、
「まあ、あんときは俺のせいだけど」
と、苦く笑う彼に、つい逃げるタイミングを逃し、首を横に振った。
その胸にコツンと頭を預けて、気持ちが伝わるといいな、なんて思う。
今あなたが居てくれるだけで良いんです。
それだけで、あんなに辛かったことはチャラになっちゃうの。
けれどそんな私のトキメキをぶち壊すように、城ノ内副社長は物騒にも呟いた。
「しかし朔だのすずだの……蓮見だの、お前は色々引っ掛けてくるな。俺だけ見てろと言った筈だが」
首に掛かる吐息に、思わずビクンと身体が跳ねた。
う、しつけ開始モード?
どうしよう、逃げられない!
逆らえないーー!
その時、
「あっ、すいませーん!」
スタッフの軽い声。
何か機材を取りに来たんだろう。
思わず固まる私をよそに、城ノ内副社長は更に私を引き寄せて、その胸に密着させる。
ウソ、ヤバイでしょ、こんなとこバレたら。
私の心臓は思いっきりドクドク音を立てる。
「どーもー」
幸いその場所は暗かったのもあって、
スタッフからは彼の背中しか見えなかったのだろう。
気付かずにセットの中へ戻って行った。
私は安堵の溜息。
「な、なに考えてるんですか!誰かに見られたら!」
「お前が俺のものだって、皆にわかるな」
な、なんて鬼畜っぷり。
「雪姫、分かったな。お前は俺のものだ」
「は、は、ハイっ!!」
甘いハズのセリフなのに、されてるようにしか聞こえない~!
やっぱりこれって調教されてるのかしら。
ただ皇の色仕掛けにひっかかってる気もするけど。
真っ赤になった顔を押さえた時、彼の肩越しに舞華さんの姿が見えた。
「あ、すみません!私ちょっと」
城ノ内副社長の腕から抜け出して、彼女の方へ向かう。
「全然分かってねぇじゃねーか」
城ノ内副社長がそんな風に呟いていたのを聞きながら。
「まあ、あんときは俺のせいだけど」
と、苦く笑う彼に、つい逃げるタイミングを逃し、首を横に振った。
その胸にコツンと頭を預けて、気持ちが伝わるといいな、なんて思う。
今あなたが居てくれるだけで良いんです。
それだけで、あんなに辛かったことはチャラになっちゃうの。
けれどそんな私のトキメキをぶち壊すように、城ノ内副社長は物騒にも呟いた。
「しかし朔だのすずだの……蓮見だの、お前は色々引っ掛けてくるな。俺だけ見てろと言った筈だが」
首に掛かる吐息に、思わずビクンと身体が跳ねた。
う、しつけ開始モード?
どうしよう、逃げられない!
逆らえないーー!
その時、
「あっ、すいませーん!」
スタッフの軽い声。
何か機材を取りに来たんだろう。
思わず固まる私をよそに、城ノ内副社長は更に私を引き寄せて、その胸に密着させる。
ウソ、ヤバイでしょ、こんなとこバレたら。
私の心臓は思いっきりドクドク音を立てる。
「どーもー」
幸いその場所は暗かったのもあって、
スタッフからは彼の背中しか見えなかったのだろう。
気付かずにセットの中へ戻って行った。
私は安堵の溜息。
「な、なに考えてるんですか!誰かに見られたら!」
「お前が俺のものだって、皆にわかるな」
な、なんて鬼畜っぷり。
「雪姫、分かったな。お前は俺のものだ」
「は、は、ハイっ!!」
甘いハズのセリフなのに、されてるようにしか聞こえない~!
やっぱりこれって調教されてるのかしら。
ただ皇の色仕掛けにひっかかってる気もするけど。
真っ赤になった顔を押さえた時、彼の肩越しに舞華さんの姿が見えた。
「あ、すみません!私ちょっと」
城ノ内副社長の腕から抜け出して、彼女の方へ向かう。
「全然分かってねぇじゃねーか」
城ノ内副社長がそんな風に呟いていたのを聞きながら。